女性監督の快進撃

2018年に突入し、東京オリンピックまであと2年を切りましたね。

 

2020年の東京を想像すると、賑やかで楽しそうな気もしますが考えてみてください。

私が思うに開催中はかなりの人だかりになって相当な混雑が予想されそう、、、、。

特に電車、、、。

 

2017年を振り返ると「女性」の活躍、ゴシップ、事件がポンと出てくるのは私だけでしょうか。詩織さんの裁判、豊田議員の「このハゲー!!」(こんなパワーワードないですよね笑)。

 

詩織さんの事件もそうですが、女性に対するセクハラ、身体的な犯罪が多かったです。

特にそう、、

ハリウッド!

 

 

・長年埋もれてきたセクハラ事案

 

華やかで、スケールも大きく、夢で溢れる、聖地でもそれが明るみになりました。

ハーヴェイ・ワインスタイン

 

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ドンって感じしますよね。身長184センチと大男です。

たくさんの記事でも触れられてますので細かく説明はしませんが、有名プロデューサーがセクハラを30年に渡って行ってしてきた。それをわかっていただければ。

 

2013年のアカデミー賞でのジョークが発端になり、ワインスタイン被害者の名前が続々と上がってきました。

 

www.youtube.com

 

『ワインスタインを好きなふりをしなくて済みますね!』

",,,5 ladies no longer have to pretend to be attracted Harvey Weinstain"

 

う〜ん笑えない。

 

笑っている人がいると言うことは、知っていると言うこと。

そのことを公言していると言うことは俳優陣でも知っていると言うこと。

 

そして隣にいる今をときめくエマ・ストーンも苦笑い。

 

一人が名を上げればズルズルと続いてくる。

 

数々の女優たちが手を挙げ、被害者たちが「私も、私も!」と前に出てくると同時にワインスタイン以外にもセクハラをした有名監督の名前も上がってきました。

 

 

ウディ・アレン

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アンチハリウッドとして知られ、アカデミー賞にも顔を出さない有名監督です。

 

個人的には彼がセクハラをするとは思ってもなかったですが(背も小さいし、気も弱そうだし、、、)、最近になって明るみになりました。

 

 

 

 

しかし、本当に私が言いたいのはこのことではないんです!

 

 

セクハラも大変な問題ですが、2017年は女性監督、クリエーターが特に異彩を放っていました。ポジティブな話をしたいんです!

 

・『ワンダーウーマン

パティ・ジェンキンスによる「かなり」久しぶりの監督作。アメコミとはいえども侮れません。

 

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2004年に「モンスター」で新人監督賞を獲得した彼女はそれからボチボチとドラマなどでディレクターをしたのちに、ハリウッドに移ります。

 

その理由はNYで撮影監督として名が通じてしまい、また監督として活動できるのを考慮したためです。ハリウッドでまた一からやり直す。それが「ワンダーウーマン」制作への第一歩だったのです。

 

 

・「レディバード

『フランシス・ハ」(2014年)で注目された女優グレタ・ガーウィグ。彼女はそれなりに遅咲きの女優だったかもしれません。

 

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映画学校には通わなく全て現場で覚えた彼女。女優としての感性+始めて挑む監督としての立場が見事にこの作品を仕上げています。

 

そして今作品の主演、シアーシャ・ローナンは今年度のゴールデン・グローブ賞でコメディ/ミュージカル部門で受賞しています。

 

しかし、その後グレタ・ガーウィグ監督は授賞式終了間も無くにトロフィーを落として粉々にしたという、、、トホホな話ですがすごい快挙です。

 

 

・「溶ける」

学生映画がカンヌに行く。それをまた可能にした力作。

田舎の女の子の心が世界に届いた。

 

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井樫彩監督作品。

以前にも日本人学生映画がカンヌにいったことはありますが、その作品の監督はアメリカでの映画専門学校生。なので全て日本で制作した作品ではないのです。

 

「溶ける」は生粋の日本映画なのです。

 

東京学生映画祭では準グランプリ、なら国際映画祭ではグランプリ、PFF(新人映画監督の登竜門)では審査員特別賞と輝かしい結果を残した今作の最もすごいところ、、

 

 

『現代の問題や、そういったものを提示せず、少女の思いだけでカンヌの門を通った』

ことです。

 

田舎に住む少女のやるせない気持ち、息苦しい環境を見事に描ききり、それらがカンヌの審査員に通じたことが素晴らしい!

 

 

 

しかし、

これだけ女性の活躍があるにも関わらず未だに女性が弱い立場に置かれています。

それらをバネに女性クリエーターの快進撃がこれからも続くでしょう。

ワインスタインのようなプロデューサーがいなくても最高の作品を作るために。

 

 

 

コメディ映画の今とちょっと前。イケメンを使おう。

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今とちょっと前まではコメディ映画での俳優の使い方が違うのだ。

 

今のハリウッドを担うコメディ映画は、特に大きくコメディ俳優を起用することはほとんどなくなった。

 

どちらかというとイケメンやホットな俳優を主演に起用し、バディ(相方)としてコメディアンを使うやり方である。逆もある。

 

最近で言えば、童顔で色男、アクション俳優として代表される「チャニング・テイタム」がお馬鹿な警官として潜入捜査に奮闘する『21ジャンプストリート』がある。

 

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この作品でのバディは「ジョナ・ヒル」で、コメディ映画から『ウルフオブウォールストリート』『マネーボール』のような大作にも出演している実力のある俳優を起用している。

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ネイバーズ』(2014年)では主演のセス・ローゲンと敵対することになるイケメン、「ザック・エフロン」。

 

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生粋のイケメンで、『ハイスクールミュージカル』を皮切りに、若くしてデビューしたが、少しの間あまりヒット作はなかったが、ここ数年でかなりのコメディヒット作を出している。若い時は甘いフェイスで売っていたが、最近ではこのようなムキムキボディだ、、、

 

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ちょっと前までのコメディ作品での俳優の使い方といえば、主演は1人で、「ジム・キャリー」「エディ・マーフィ」といった、大きく使うやり方だ。

 

すごく漠然な言い方ではあるが、作品を見終わった後に主演のコメディ俳優しか印象を残さない作風であるというところか。

 

ライアーライアー」「マスク」「ナッティプロフェッサー」「ドクタードリトル」、、、

 

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次世代として、「ジャック・ブラック」「セス・ローゲン」「ジョナ・ヒル」「ヴィンス・ヴォーン」「スティーブ・カレル」「ウィル・フェレル」「ベン・スティラー」がいる。

 

そしてもう一つ、今とちょっと前までのコメディ映画の「質」の違いは

『下ネタ』の小ネタの数であろう。

 

確かにちょっと前までのコメディ映画でも下ネタは使われてきたが、ソフトなタッチであった。

 

最近では露骨すぎる下ネタでの笑いを誘い、主演だけでなく他の演者達も下ネタを連発する作風が多い。とにかく下品なのだ。

 

まあそれでもさすがは自由の国アメリカ、ユーモアの表現が広いなと感心する。

 

そして男だけが下ネタを連発するとは限らず、女性もバンバン言ってくるのがハリウッド。女性版「ハングオーバー!」と言われている、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2012年)では目も当てられないほどのお下劣ぶりである。

 

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お下劣でも最高に笑え、なんと第84回アカデミー賞では脚本賞助演女優賞にノミネートされた。すごい力量のある作品である。

 

この作品でも元では清純派の「ローズ・バーン」(左)、コメディ女優として「メリッサ・マッカーシー」(右)がいる。

 

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ホラーもラブストーリー作品の出演経験もある「ローズ・バーン」は『ネイバーズ』でも「セス・ローゲン」と夫婦役として主演しており、役の幅を広げている。

 

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似たような作品では、『バチェレロッテ あの子が結婚するなんて!」(2014年)があり、「クリスティン・ダンストン」が友人の結婚に翻弄される残念な女性を演じている。

 

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サム・ライミ版『スパイダーマン』ではM・J役でキュートな役の印象が強かったが、『バチェレロッテ』での彼女は最高に残念だ(笑)。

 

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ここでも最近勢いに乗っている「レベル・ウィルソン」がいる。『ピッチ・パーフェクト』ではファットエイミー役として大ハマりな女優である。

 

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まだ全然作品紹介が1割程度しかできていないが、ここら辺で一旦終わろうと思います。「ジェームズ・フランコ」の最近の活躍とか、色々言いたいことはありますが、あしからず。

 

 

 

 

 

 

DVDの特典は人を悲しませる

 

映画が好きな人にとってはDVD、Blu-rayのコレクションは避けて通れないお金の浪費と言えるでしょう。もしかしたら作品があまり面白くなくても「特典」重視も人もいるかもしれません。 フィギアが付いていたり、ポスターや、解説本、、、、

どれだけ値がはっても手に入れたいもの。

 

それでも作品によっては「やかましいわ!」と、投げつけたくなっちゃう特典があります。まあ、人にもよりますが、、、、

それは「はじまりのうた」です。

 

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このバラエティー豊かな特典の数々!解説本もたくさん、イラスト本もたくさん見れますが、左上のものに注目すると、なんだかイヤホンジャックみたいなものがありますよね。

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作品を観た人ならわかるはずです。2つ同時に接続できるイヤホンジャックが本編に登場するんですよねー。キーラ・ナイトレイマーク・ラファロが夜のNYで音楽を聴きながら歩くシーンがとても印象的でした。

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これ観た時、「あーこのイヤホンジャック欲しいかも」と反射的に思ったんですが、それが特典に入ってるんですよねー。

 

 アマゾンのレビューでこのイヤホンジャックの特典を載せている方がいたので、「欲しい!買おうかな!」と購入しかけましたが、よくよく考えると一緒につける人もいなく、黙ってそのまま画面を閉じました。

 

なかなか見ない粋な特典でしたが、一気に孤独を感じた瞬間でした。

 

これは移民問題?『先生を流産させる会』

東京に住んで4年。都会にはいろんな人がいます。日本人以外にも、やっぱり移民(少し失礼言い方ですが)の方々がいます。牛丼屋で働いている人、インドカレー屋、繁華街にいるお姉さん達。地方出身の私には、はるばる日本に来て働くことはすごいなぁと、ぼんやりとですが思います。なぜ日本という国を選び、そしてどんな思いを持って生活しているのか。

 

内藤監督の『先生を流産させる会

 

 

2011年制作で、実際に愛知県で起こった男子生徒達による事件をベースにしています。この作品では女子生徒達の犯行に変え、先生の妊娠に対する彼女達の残忍な犯行を描いています。

様々なバッシングを受けたこの作品。まずタイトルからして、あまり観たくないなぁと思う人も多いと思います。たくさんの意見がありますが、個人的にどうも見過ごせない部分がありました。

 

それは主犯の「ミズキ」の顔立ちです。

 

 

ちょっと日本人とは違う顔立ちです。肌も少し黒く、なんというか、、、ハッキリとしてます。これでも少しわかるように、ミズキはどこかの国の日系の子だということが考えられます。そして、それを決定づけるシーンがあります。ミズキ達が万引きをするシーン。

 

 

ブラジル国旗」が映り、この前のカットにも大きく国旗が映ります。ということは多分ミズキは日系ブラジル人ではないでしょうか?だからなんだとい言われると思いますが、調べた結果ここで興味深い統計があります。

 

 

2015年調査の在日ブラジル人の統計で、首都の東京よりも田舎の部分に多く見られます。1位の静岡にはスズキ、ヤマハの工場が、3位の愛知にはトヨタの工場があり、ほとんどの人が「出稼ぎ」に来ているんですね。初期の出稼ぎには高学歴で技術を持ったブラジル人が日本に来ており、仕事を終えるとすぐ帰国していたようです。しかし、最近では大勢のブラジル人、ペルー人などが流れ込むようになり、劣悪な環境、低賃金で働かされるようになりました。工場の寮から勝手に逃げ出すことも少なくないようで、帰国したくてもお金がない、そのような就労問題があります。そんなミズキも彼らの子孫ではないでしょうか?

 

 

作品の中ではミズキの両親とは連絡が取れないシーンがあり、ミズキの家庭環境も良くはないのでしょう。

このように関係ないことでも調べていけば、少しはミズキがどんな気持ちかわかるのではないでしょうか?

 

そのまま「走る」映画

もうすでにNAVERまとめに「走る映画特集」が投稿されてて、「やられた!」と思いましたが、記事を読んで「そうかな?」と思う作品が多数ありました。あと、カブったものもあるので、、、

 

走る」というアクションについて、作品の中でなぜその人は走らなければならないのか?どこに向かっていて、終わりがあるのか?等、考えることがたくさんありすぎます。単に監督が「主人公を走らせたいんだ!」という意図から話を組み立てていくのも、ものづくりとして魅力があります。走る1シーンを撮りたいがために作品を作ってもいいと思います。「セーラー服の女の子を激走させたい!」だけで個人的には、そんな作品観てみたいです。

単に登場人物が「走る」という個人的なカテゴリーの作品を紹介していきます。

 

 

ラン・ローラ・ラン』(1998年・ドイツ)

やっぱりこの作品がパッと出てきます。赤髪の女性が街を走り抜ける、、その画だけでグッとくるでしょう。「走る」というヴィジュアルで言うととてもシンプルで、81分という尺でサクッと観れます。「愛のために走る」がテーマだと思いますが、色んなレビューを見ると、「ローラが彼氏に振り回されてかわいそう」など、かなりマイナスな意見がちらほらあります。が、私はそう思いません。ローラの方がどう考えても一枚「うわて」で、助けを求める彼氏はどうしようもないダメ人間だと思います。そんな彼氏のために走り続けるローラはとても魅力的な女性に見えませんか?

 

 

 

裸のジャングル』(1966年・アメリカ)

逃げるは恥だが役に立つ」どころじゃなく、逃げないと死んじゃうよ!「ミイラ取りがミイラになる」そのもので、白人のハンター(象の狩猟)が原住民の怒りを買い、襲われます。仲間達は火あぶりにされ、そこから逃げ出した主人公の男を原住民が総動員で追ってきます。弓や槍が飛んできたり、動物に襲われる。炎天下の中、倒れてしまったならヘビが襲ってくる究極の状況で頼れるのは本能のみ。「野生を取り戻せ!

ちなみに2006年にメル・ギブソン監督で「アポカリプト」という映画がありますが。まさにこれと同じです。「裸のジャングル」は原住民という集団の種族レベルですが、「アポカリプト」は文明レベルで追ってきます。マヤ文明を描いたかなりの力作で、セリフも全てマヤ語です。この作品も確かに走る映画だと思いますが、なんといっても「人物」の描き方がとても素晴らしいと思います。実際にマヤ文明の人達に会ったこともないし、マヤの歴史の勉強もしたこともないです。ですが、その時代を生きていた人達はどんな気持ちで生きていたか?というかなりぼんやりとした想像をはるかに超える描き方で観た人を感動させてくれるでしょう。

※どちらもショッキングなシーンがあるのでご注意を。

 

 

幻の湖』(1982年・日本)

心の底から紹介したい作品、これぞ正真正銘の走る映画そのものかも。東宝創設50周年記念作品として、監督を橋本忍、製作には野村芳太郎、日本映画の集大成として制作された「幻の湖」。しかし、14日間で公開打ち切りになり、カルト的な作品となりました。なぜ大ゴケしたのか?まずこの映画のジャンルを言うとするするならば、「ラブロマンスSF時代劇スパイアクションサスペンス」。尺は164分、長っ。ちゃんぽん映画かつ、2時間半以上のダブルパンチを喰らえば席を立つお客さんの気持ちがわかります。

観終わった後にどんな映画?って聞かれると、腕を組んでうーんと首を傾げてしまいます。物語は現代から始まり、戦国時代、未来に渡って「琵琶湖」「一人の女性の意思」が描かれます。とにかく物語が壮大で、どこも妥協なく何もかも全て描き切ってます。ただ、そこがコケてしまった理由だと思います。東宝の記念作品なら予算もかなりあったでしょう、それに橋本忍が監督を務めるとなれば、誰も文句は言いません。誰の邪魔もされず橋本監督は自由にこの「幻の湖」を書き上げたに違いません。一人の女性を描くどころか風呂敷を広げすぎ、それが裏目に出てしまったのかもしれません。それでもラストの男を追うシーン、まさに走るシーンはかなり見ごたえがあるので、気になる人は鑑賞するのをおすすめします。

「おんな」と「オンナ」/「チチを撮りに」

ひらがなで書く「おんな」とカタカナの「オンナ」って微妙だけど表現が違うと思う。

「おんな」はなんか生々しくて繊細な感じ。倍賞千恵子みたいな。

オンナ」はなんだろう。単純に強い女性、何より自分の母を思い出す。

チチを撮りに」に出てくる母親と姉妹は「オンナ」です。

全編を通してこれは女性高揚映画だと思う。戦時中に戦意高揚映画があったようにこの作品は女性のために作られた映画。そして出てくる男たちは頼りなく、小さい存在。女性が男よりも優位に立っている世界のよう。

亡くなった父親はマグロしか食べず、しまいにはマグロに食べられる。なんて悲惨な最期だろう笑。男は所詮そんな終わり方だ。他にもちょっとしたカットだけだが、宝くじ売り場に並ぶ男達、母親にたかる若い男。男は全く仕方がなく、しょうもない人達ばかり。

少し異彩を放った、あの男の子はどうだろう。今は小さく可愛らしいが、そのうち周りの男達のようになるのだろう。

オンナ達はどうだろう、、、答えは明らか。そんな男達をよそに母と姉妹は「夢を買うより米を買う」ために笑い、働き続ける。

 

女性進出は最近では当たり前なことなのかもしれない。映画でも音楽でもそうだけど、強い女性像を筆頭に色々なものがある。「エイリアン」のシガニー・ウィーバーも強い女性像だろう。バンドのランナウェイズもガールズロックを生み出した。

 

 

女性特有の強さはホントに圧倒される。日常的なのは、前と後ろに子供を乗せて朝早くから自転車を漕いでいるお母さん達。「母は強し」。母ちゃん、長生きしてください。

選挙ポスター/「雨の日は会えない、晴れの日は君を想う」

 

 

「(原題)Demolition

 

観た理由は二つ。

・高校の後輩が言ったこと

部活動の後輩(仮にシゲル)と帰る道が同じ。ある日シゲルが道に貼ってある選挙ポスターを指差して「再生には破壊が必要なんですよ」と言ってきた。たしかそのポスターには議員さんの写真と『地域再生』の文字がでかく書いてあった。

私「え?

シゲル「再生には破壊が必要なんですよ」(2回目)

あ、そのこと言ってんのねってそん時は流したと思う。ごめんね笑

 

それでもねえ、シゲルの言う通りなんだよね。

人も政治も家も冷蔵庫も「立て直す」には一回ぶっ壊すべきなのかも。

 

 

そん時にぶっ壊してどうなる?とか結果を考えちゃダメで、その対象を見つめ直すには最善なのかも。ていうかこの方法しかないのかも。デイビスもぶっ壊す決意をして、色々ぶっ壊しまくる。ぶっ壊し「回る」が合ってるかも。終わりも考えず、何も考えないで一心不乱に。だから当然だけど頭おかしい人にしか見えないんだよね。イっちゃってるし、情緒不安定。

 

でもこの映画の面白いとこってそんなやつをいかに愛すべき主人公に仕立てるかっていう所にあると思う。そして多分この作品のデイビスには賛否両論あると思う。妻に対して無関心だし、死んでも泣くにも泣けない。しまいには失くしてから気付かされて、狂ったように自分の周りのものをぶっ壊して、、、、ひどい男だな。って思うけど妻を亡くしてからのデイビスは全てにしっかり「けじめ」をつけてくれる。 だから人って一回おかしくなってもいいんじゃないかと思う。

 

ハートの「Crazy on you」

予告編を見た時にハートだ!ってはしゃいじゃいました。なぜなら何を隠そうハートは高校時代にハマったバンドの一つ。

アンとナンシーの姉妹のロックバンドでまだ現役。

そしてハートの「Crazy on you」はこの作品では重要な意図を持たせてくれる。かつ、歌と作品のマッチングが非常にいい。

最初にナンシーのソロから入り、激情を表すかのように激しくなって、ギターが入る。その構成が妻が死に、自分を見つめ直す男の話そのもの。

そう、このナンシーがかっこいいんだよね。

 

そう、観た理由はこの二つだけ。後輩の言ったことと、バンドだけ。すっごいどうでもいい理由。単純。

正直こういった作品はわざわざ映画館では観ないんだけど、心が少し大人になったのかしら。そこだけは自分を褒めたいと思う。