選挙ポスター/「雨の日は会えない、晴れの日は君を想う」

 

 

「(原題)Demolition

 

観た理由は二つ。

・高校の後輩が言ったこと

部活動の後輩(仮にシゲル)と帰る道が同じ。ある日シゲルが道に貼ってある選挙ポスターを指差して「再生には破壊が必要なんですよ」と言ってきた。たしかそのポスターには議員さんの写真と『地域再生』の文字がでかく書いてあった。

私「え?

シゲル「再生には破壊が必要なんですよ」(2回目)

あ、そのこと言ってんのねってそん時は流したと思う。ごめんね笑

 

それでもねえ、シゲルの言う通りなんだよね。

人も政治も家も冷蔵庫も「立て直す」には一回ぶっ壊すべきなのかも。

 

 

そん時にぶっ壊してどうなる?とか結果を考えちゃダメで、その対象を見つめ直すには最善なのかも。ていうかこの方法しかないのかも。デイビスもぶっ壊す決意をして、色々ぶっ壊しまくる。ぶっ壊し「回る」が合ってるかも。終わりも考えず、何も考えないで一心不乱に。だから当然だけど頭おかしい人にしか見えないんだよね。イっちゃってるし、情緒不安定。

 

でもこの映画の面白いとこってそんなやつをいかに愛すべき主人公に仕立てるかっていう所にあると思う。そして多分この作品のデイビスには賛否両論あると思う。妻に対して無関心だし、死んでも泣くにも泣けない。しまいには失くしてから気付かされて、狂ったように自分の周りのものをぶっ壊して、、、、ひどい男だな。って思うけど妻を亡くしてからのデイビスは全てにしっかり「けじめ」をつけてくれる。 だから人って一回おかしくなってもいいんじゃないかと思う。

 

ハートの「Crazy on you」

予告編を見た時にハートだ!ってはしゃいじゃいました。なぜなら何を隠そうハートは高校時代にハマったバンドの一つ。

アンとナンシーの姉妹のロックバンドでまだ現役。

そしてハートの「Crazy on you」はこの作品では重要な意図を持たせてくれる。かつ、歌と作品のマッチングが非常にいい。

最初にナンシーのソロから入り、激情を表すかのように激しくなって、ギターが入る。その構成が妻が死に、自分を見つめ直す男の話そのもの。

そう、このナンシーがかっこいいんだよね。

 

そう、観た理由はこの二つだけ。後輩の言ったことと、バンドだけ。すっごいどうでもいい理由。単純。

正直こういった作品はわざわざ映画館では観ないんだけど、心が少し大人になったのかしら。そこだけは自分を褒めたいと思う。