「おんな」と「オンナ」/「チチを撮りに」

ひらがなで書く「おんな」とカタカナの「オンナ」って微妙だけど表現が違うと思う。

「おんな」はなんか生々しくて繊細な感じ。倍賞千恵子みたいな。

オンナ」はなんだろう。単純に強い女性、何より自分の母を思い出す。

チチを撮りに」に出てくる母親と姉妹は「オンナ」です。

全編を通してこれは女性高揚映画だと思う。戦時中に戦意高揚映画があったようにこの作品は女性のために作られた映画。そして出てくる男たちは頼りなく、小さい存在。女性が男よりも優位に立っている世界のよう。

亡くなった父親はマグロしか食べず、しまいにはマグロに食べられる。なんて悲惨な最期だろう笑。男は所詮そんな終わり方だ。他にもちょっとしたカットだけだが、宝くじ売り場に並ぶ男達、母親にたかる若い男。男は全く仕方がなく、しょうもない人達ばかり。

少し異彩を放った、あの男の子はどうだろう。今は小さく可愛らしいが、そのうち周りの男達のようになるのだろう。

オンナ達はどうだろう、、、答えは明らか。そんな男達をよそに母と姉妹は「夢を買うより米を買う」ために笑い、働き続ける。

 

女性進出は最近では当たり前なことなのかもしれない。映画でも音楽でもそうだけど、強い女性像を筆頭に色々なものがある。「エイリアン」のシガニー・ウィーバーも強い女性像だろう。バンドのランナウェイズもガールズロックを生み出した。

 

 

女性特有の強さはホントに圧倒される。日常的なのは、前と後ろに子供を乗せて朝早くから自転車を漕いでいるお母さん達。「母は強し」。母ちゃん、長生きしてください。