これは移民問題?『先生を流産させる会』

東京に住んで4年。都会にはいろんな人がいます。日本人以外にも、やっぱり移民(少し失礼言い方ですが)の方々がいます。牛丼屋で働いている人、インドカレー屋、繁華街にいるお姉さん達。地方出身の私には、はるばる日本に来て働くことはすごいなぁと、ぼんやりとですが思います。なぜ日本という国を選び、そしてどんな思いを持って生活しているのか。

 

内藤監督の『先生を流産させる会

 

 

2011年制作で、実際に愛知県で起こった男子生徒達による事件をベースにしています。この作品では女子生徒達の犯行に変え、先生の妊娠に対する彼女達の残忍な犯行を描いています。

様々なバッシングを受けたこの作品。まずタイトルからして、あまり観たくないなぁと思う人も多いと思います。たくさんの意見がありますが、個人的にどうも見過ごせない部分がありました。

 

それは主犯の「ミズキ」の顔立ちです。

 

 

ちょっと日本人とは違う顔立ちです。肌も少し黒く、なんというか、、、ハッキリとしてます。これでも少しわかるように、ミズキはどこかの国の日系の子だということが考えられます。そして、それを決定づけるシーンがあります。ミズキ達が万引きをするシーン。

 

 

ブラジル国旗」が映り、この前のカットにも大きく国旗が映ります。ということは多分ミズキは日系ブラジル人ではないでしょうか?だからなんだとい言われると思いますが、調べた結果ここで興味深い統計があります。

 

 

2015年調査の在日ブラジル人の統計で、首都の東京よりも田舎の部分に多く見られます。1位の静岡にはスズキ、ヤマハの工場が、3位の愛知にはトヨタの工場があり、ほとんどの人が「出稼ぎ」に来ているんですね。初期の出稼ぎには高学歴で技術を持ったブラジル人が日本に来ており、仕事を終えるとすぐ帰国していたようです。しかし、最近では大勢のブラジル人、ペルー人などが流れ込むようになり、劣悪な環境、低賃金で働かされるようになりました。工場の寮から勝手に逃げ出すことも少なくないようで、帰国したくてもお金がない、そのような就労問題があります。そんなミズキも彼らの子孫ではないでしょうか?

 

 

作品の中ではミズキの両親とは連絡が取れないシーンがあり、ミズキの家庭環境も良くはないのでしょう。

このように関係ないことでも調べていけば、少しはミズキがどんな気持ちかわかるのではないでしょうか?